ナンバ歩き
- magic bicycle
- 2024年3月31日
- 読了時間: 4分
更新日:1月23日
こんにちは 世界で学ぶ催眠術師 かずきです。
昔の日本の絵の人物ってみんな変わった歩き方してますよね。よく見ると左右の手足が同時に出ているように見えます。
これは絵の書き方が下手なのではなくて、江戸時代以前の日本ではこの歩き方が一般的でした。しかし明治以降、西洋的生活様式の移入とともに失われたとされています。

この独特な歩き方はナンバ歩きと呼ばれ、現在は伝統武術や陸上競技などに一定程度応用することが可能ということが分かり、スポーツ科学の観点からも現在研究が行われています。
「ふーん、そうなんだ……」
で終わりそうですが、ちょっと待って下さい。実はナンバ歩きには可能性が秘められているんです…!
ナンバ歩きの特徴

ナンバの動作の特徴としては大きく4つあります。
「左右の手足が同時に出る動き」
身体の左右に並行する2本の線を想像し、それを前後にスライドさせるような感覚で、同時に左右の手足が動きます。
その結果腰を回転させる事はなくなり、腰の負担が減らし身体を守ります。
「足はかかとから着地しない、すり足」
着物は着用する事で自然に動きの制約が掛かりその動作は小さい歩幅で歩く事になります。するとかかと着地の必要性が無くなるのです。
「上体はねじらない」
左右の手足が同時に出るナンバ走りの動作を見ればその理由が見つかります。まず身体が前傾する事で歩幅が上がります。そして手足の振りが無いので疲労がたまりにくく、更にかかとを浮かして踏み込む事により足全体が『バネ』の役割を果たし、悪路や傾斜地を走るには適している事が考えられるからです。
「腕をふる動作が無い」
武士は左手は袖口か刀、また袴のポケットに手を入れて歩き、右手は前掛けの前に手を添えて歩いていました。
その状態では腕を振る動作は出来ません。ましてや腕を振ると脇腹から挿した刀が落ちてしまいます。必然的に足の動きもすり足になるわけですね。
ナンバのメリット
ここでナンバの動作のメリットについてまとめてみましょう!
・ ねじる動作が少ないので身体の負担が少ない
・ 手を振る動作もなく余計な力を使わずに済むので疲れにくい
・ かかと着地の概念がなく歩きだしのパワーロスが少なくなる
江戸時代の忍者や飛脚は、日に約50里(今の距離で約200キロ)を駆けていたとされます。
都市伝説チックな話に聞こえますが、左右の手足が同時に出るナンバ走りの動作を見れば理由がわかります。
まず身体が前傾する事で、歩幅が上がります。そして手足の振りが無い為、疲労がたまりにくく、かかとを浮かして踏み込む事により足全体が「バネ」になり、悪路や傾斜地を走るには適している事が考えられるからです。
ナンバ歩きのやり方

◯右足を前に出すときは右腰を前に入れる
右足を前に出すときは、同時に右腰前に入れるように突き出してみましょう。ただ、右足を前に出すだけではなかなか同時に右腕は前に出てきませんが、腰をどちらかに付き出すことで、自然と腕が前に出ていきます。
◯腰に手を当てて歩く
手を腰に当てて、肩を前に突き出すようにナンバ歩きを行ってみましょう。これでは正確なナンバ歩きにはなっていませんが、こうした歩き方を最初に行っておけば自然とナンバ歩きが体に染み付いていきます。
◯ポケットに手を入れて歩く
腰に手を当てて歩いても普段の慣れで一般的な歩き方になってしまうというときには、あえてポケットに手を入れて歩いてみましょう。あえてそうした歩き方をすることで、一般的な歩き方を防ぐことができます。
◯腕を組んで歩く
ポケットに手を入れてもなかなかうまくナンバ歩きができないときには、腕を組んで歩く方法も有効です。
◯股関節を軸に体を回す
ナンバ歩きの最終段階のポイントは、関節を軸にして体を回すことです。この方法に慣れることができれば、ナンバ歩きはほぼ習得したと言っても良いでしょう。
ナンバ歩きの気功への影響

ナンバ歩きでは腕の力が抜け、自然と腹式呼吸になり重心が下丹田に下がります。
下丹田がしっかりしてくると、ジタバタせず、肝を据えて、ドシッと構え、自分にはそういう恐れや不安があるのだ、という、自分の内側に存在する心の弱さを認めることができるようになります。
気功のはじめの一歩は、気を使って自分を客観視することが大切だと以前のブログで紹介しました。
気功で自身の痛みを取り除くとき、先ずはその痛みの全貌を認識し、そこからアプローチをします。痛みでパニックになりその感覚を拒絶すると対処できなくなってしまいます。
これが他人に対して気功を掛けるよりも自身に対してアプローチする方が難しいという所以です。
自分という自我の視点を止め、客観的に見るということが気功では大切です。
間接的に客観力を鍛える良いメソッドの1つに、ナンバ歩きはなると考えています。
本日はここまで、本日も修行日記をご覧いただきありがとうございました。
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