催眠は聖杯ではない
- magic bicycle
- 2024年4月14日
- 読了時間: 4分
更新日:1月23日
こんにちは!世界で学ぶ催眠術 かずきです。
催眠術を使うと、腕相撲で男の子に女の子が勝てるようにったり、隣の部屋の状況が透視できるようになったりすることができます。
このような光景を見ていると、術者の誘導で能力が急上昇し、何でもできるように見えますよね。しかし勘違いを生まないようにしなくてはなりません。

残念ながら催眠によって引き出せる力はあくまでも自分が持っている力だけです。潜在能力とは文字通り潜在していた能力であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
ですから、それ以上の力が出ることを期待するような他力本願的な欲を持つことは控えてください。
しかし初めにお伝えした女の子が男の子に腕相撲に勝ってしまうような、筋肉量の去からしてありえないようなことや透視現象が起きてしまうのもまた事実。

しかしそれらについての説明は簡単。
腕力が急激に上昇するのは、リミッターが解除されるからです。
以前車の下に挟まった、自分の息子をお母さんが、車を持ち上げて息子を救い出したという記事も見たことがありますが、人間の筋肉にはもともと潜在的にそのような力が備わっているのです。
しかし実際そのような火事場の馬鹿力を出した次の日は、腕の筋肉が激しく痛みます。それはそれまでの人生の中で一度も出したことのないほどの負荷が筋肉にかかったからです。
それらのことからわかるように実はこれは両刃の剣で、一つ間違えると大怪我をします。

隣の部屋の景色が透視で盗み見れるという、あたかも超能力じみたことも、元々人間が持っている同調能力を引き出しただけに過ぎません。
「流石にそれはオカルトやろ…」
と思う気持ちはわかりますが、事実として超能力を用いた"心霊考古学"という分野が存在することをご存知でしょうか?
考古学者クラレンス・ワイアントは、オルメカ文明の重要な遺跡トレス・サポテスを発見しましたが、後の人類学会の年次総会で「この発見は超能力者の援助がなければできなかっただろう」と述べています。
他にもカナダ考古学会の副会長であったノーマン・エマーソンは、サイコメトリーを通した考古学研究の可能性について言及しています。
ジョージ・マクマレンという物や遺跡を眺めるだけでそれらの過去を言い当てることができるトラック運転手がいたのですが、マクマレンは何もない大地の上を歩き、そこがイロクォイ族の共同生活があった場所だと発言した6か月後の発掘によって、それが事実であることが判明したことがあります。そのことから初めはそのような能力に懐疑的だったエマーソンは、1973年の年次学会の席上で「考古学調査において、超能力者の使用を広げていくことは最優先事項」だと述べています。
この他にも考古学に対する透視能力の様々な貢献事例は数え切れません。

日本においても、御船 千鶴子という、透視能力を持つ女性が昔いました。
その透視能力能力を手にするきっかけになったの1903年。姉の夫である清原猛雄が催眠術で、「お前は透視ができる」と暗示をかけてみたところ、本当に千鶴子に透視能力が発現してしまったといいます。
これをきくとやはり催眠術では何でも出来るのでは?と疑問に思うとおもいますが、そうではありません。彼女は生まれつき右の耳に難聴があり、極度の集中力の持ち主であったのです。
集中力と透視が関係あるのかと言う話ですが大アリで、様々な超能力を体現する魔術において、最も重要なのはこの集中力を身につけることなんです。これが基礎となり、透視能力を始めとした様々な能力が行えるようになります。
彼女は元々そのような基礎となる能力を備えていたからこそ、催眠暗示によってすんなり透視能力を手に入れたかのように見えただけなのです。

↑千里眼実験をする御船 千鶴子
当たり前かもしれませんが、人間は自分の体を守るために能力を開放しきれないようリミッターを設けています。催眠はそれを解除することで、通常では出ない力を発揮させることができます。
しかしそれらは元々の潜在的な能力があったから。
すべてを解決する"聖杯"の存在を信じたい気持ちもわかりますが、結局のところ毎日コツコツ積み上げていくしか方法はないのです。その積み上げの作業は忍耐力と集中力が必要で、それらの力が間接的になにかの、それこそ超能力開花の手助けになることだってあるかもしれません。
何かを継続していくと、当初想像していたものとは違う収穫物を得ることがあります。
そのような様々な発見、収穫のある人生は豊かです。彩りのある人生を送るためにも、先ずは三日坊主を辞めてみることから始めたら良いかもしれませんね。
本日はここまで。ありがとうございました!
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