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催眠に掛かる人と掛からない人

更新日:1月23日

こんにちは!世界で学ぶ催眠術師かずきです。


催眠というのはとてもマイナーなジャンルの学問です。それゆえに多くの人が催眠に対して事実とは異なる認識を持っています。

その最たる例は、「催眠に掛かる人と、掛からない人がいる」というものでしょう。

これは、本当によく聞かれて、頻出質問ランキングTOP3に入ります。

続いて…


「催眠では何でも出来るの?」

「催眠ショーは仕込みなんでしょ?」


が、多いですね。





【大きな誤解】


催眠は人間の持つ、潜在的な能力を引き出すことにおいてとても有用だと思います。

腕相撲で大の大人に華奢な女の子が買ったり、わさびを平気な顔してバクバク食べられるようになったり、一度はTVなどで見たことがある人もい多いはず。

このように術師が語りかける暗示によって通常では行えないような、身体の感覚の大きな変化を引き起こすことができます。


それらの身体操作を意図的に自身の意志で、自由に引き起こせるようになれば…というところが、催眠術が人々を引き付ける理由なのではないでしょうか。

しかしその反面、私達の多くは頭のどこかで


「TVの催眠ショーは仕込みで、全部ウソ」


とも思っています。


事実、催眠ショーでは元々催眠に掛かりやすい人を選んで、壇上に呼んでいたりします。そうでもしないと観客を満足させるだけの素晴しいショーは見せることができません。

ですが大人数の中から、瞬時に掛かりやすい人を見極める力も催眠術師には必要な能力です。

しかしこれが催眠に対する「掛かる、掛からない」という誤解を生んでしまっています。




【フロイトが広めた催眠の嘘】



催眠に掛かりやすい人は存在します。しかし掛からない人はいません。

直ぐに催眠に掛かるのか、時間が掛かるのか、という違いがあるだけです。

環境、術師の上手さ、タイミングなどが関係しているだけで、本質的に催眠に掛からない人は存在しません。


このような事実があるのにも関わらず、多くの人が催眠は人によって掛からないという認識を持つようになってしまった根本的な原因に、精神分析で有名なジークムント・フロイトがいます。

彼は催眠術師で医師のジャン=マルタン・シャルコーという人の弟子になり、催眠を学び、臨床に使っていました。


しかし、「催眠術が効く患者とそうでない患者がいて、効果もまちまちだ」と言い、催眠術を排除してしまいました。

でもよくよく考えて見て下さい。

例えばマッサージ師が


「人にはマッサージしやすい人とそうでない人がいて、コリを取り除けないのは私ではなくマッサージをしにくい身体を持つ患者のせいだ」


と、言い出したらどう思うでしょうか。


「いや、お前が下手なだけやん」


ってなりますよね。


これが答えで、フロイトは催眠が下手だったのです。当時有名だった彼が自身の腕ではなく、催眠術を否定してしまったが故に、催眠術は衰退の一途をたどってしまったのです。



【催眠は自己催眠】


催眠を理解していない人は催眠導入の現場を見ると、催眠術師が被験者に言葉巧みに働きかけ誘導しているように見えてしまうと思います。


しかし本質的には、催眠術師は被験者が催眠に入っていくことをただサポートしているだけなんです。

なので催眠に掛からない人は催眠に掛かりたくない理由を持っています。

例えば、恥ずかしい、怖い、緊張しているなどです。

もちろんその障害を取り除いて誘導していくのがプロの催眠術師だとは思います。

ですが限られた持ち時間で観客を盛り上げなければならないという縛りがあるショー催眠では、そのような誘導に時間を要する被験者はバッサバッサと切り捨てて掛かりやすい人だけを壇上に残します。そういう意味では、催眠に掛からない人がいるという認識は、フロイトだけでなく私達催眠術師が作り上げてしまったものだとも言えるとは思います。


話がそれましたが、そのような何らかの催眠に対する障害を持つ人でも、信頼できる術師とマンツーマンならば、成功させることが可能です。

一度目が掛からなくても、繰り返し掛けたり別の日に掛け直したりすれば良いのです。

掛からない理由を精神分析しながら、被験者と一緒にゆっくりと進めていけばよいのですが、フロイトは高圧的な態度で患者に接して、自身の催眠が上手く掛からないと不機嫌になっていたと言われています。

そのような対応では、被験者に催眠誘導することが難しいのは誰でもわかるはず。

実際のところ権威的な態度で患者に接するのは当時としては当たり前で、フロイト以外の催眠を用いる医者も似たようなものだったそうです。

当時の医者は催眠術師には向いていなく、それが催眠術にとっての大きな不幸だったのです。


【大切な心構え】


被験者が問題を解決できたとしたら、それは誰のお陰なのでしょう。


先ほどお話しした通り、術者は被験者のサポートに徹するだけ。どのような重大な病が解決したとしてもそれは、クライアント自身のおかげです。


これは催眠療法、スピリチュアルセラピー、エネルギーワーク、気功、心理カウンセリング全てに共通して言えることです。

たまに…

「俺の力で治してやった」みたいなことを言う施術者がいますが、ありえないです。

もちろん施術者の力を借り、それを呼び水にしてクライアント自身の力が引き出されるということはあります。

ですがその施術者じゃなくてもいいんですよ。たまたま巡り合わせでそうなっただけです。

どんなに優れた施術者であっても、クライアントの中に良くなる力がなければ、良くすることはできません。医者や薬と一緒ですね。

そして生きている限り、良くなろうとする力、勢い、意思は誰の中にもあるので、特別なことではありません。


「俺、スゲー!」と思っているうちは、三流。

「アンタ(クライアント)、スゲー!」と思れば、自分が一流とかどうか、認められるとかどうかなどに興味はなくなります。


自分が催眠を掛けてやるんだというおこがましい気持ちを持たないことは、より良い効果を生み出すことにも繋がります。

ときに、1番になろうとしないことも上達の秘訣だと私は考えています。


今日はここまで!本日もありがとうございました!

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